またまた極貧バイト時代の2012年頃に買った一品。しかも、前回紹介した米びつよりゼロの数が多いです。私は一時期、北欧ヴィンテージ家具や雑貨を扱う企業で広報をしていたのですが、思えばこの頃から北欧好きの片鱗はあったのかも。デザイナーも知らなかったし、北欧ということを特に意識せずに「きれいだな〜」という思いだけで購入しました。後付けで知りましたが、クリアはMoMAの永久コレクションにも入っているそうです。
おそらく、この照明をご存知の方は透明なほうの、透き通った氷の中に電球が閉じ込められている印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか?調べてみたらアンバーは2006年、ブロックランプ10周年を記念して特別モデルとして発表されたものなのだそうです。私が大学を卒業したのは2009年なので、残っていたのか、その後定番商品として販売になったものなのかは不明ですが。。クリアももちろん素敵なんですけれど、アンバーのあたたかな光に一目惚れしました。
写真で見ている限りでは「どうやって電球が中に入ってるんだ」と思っていたのですが(オンラインで購入した)、上下にパカッと分かれ、電球を入れて挟むというシンプルな仕組みです。そして「パカッ」と言いましたが、全部で約3kgあるので片方だけでもなかなかの重み。個人的な感想としては、鈍器として使えるレベルです。
基本的にモノは一期一会と思っているのであまり気にしていませんが、10年以上持っているモノは案外、珍しくなっていることもあるみたいです。ちなみにアンバーは今は廃盤になっており、代わりに25周年に日本限定で500個発売された「smoke」という、青みがかったスモークグレーの色が登場しているようです。
前回紹介した米びつのときに言われた「私にはわからないけれど、今のあなたがそれを買うことで得られる豊かさもあるのでしょうね」という言葉は、これにも通じるところがあって、実は私は一度、バイトを変えた後の給料日(翌々月払いだった)とカード・家賃の銀行引き落とし日の間のほんの少しの差で「あと数日待てばお金が入るのに、口座にあるお金が足りない」という事態に陥ったことがあります。それを思うと、数万円するこの照明を買ったのは今考えればある意味狂気の沙汰です。今の私の金銭感覚であれば、それほどの経済危機に陥るリスクがあれば少なくとも間接照明は買わないのではないかと思います。
当時いっときの間お金を貸していただいた先輩には、今でも本当に感謝しています。将来への焦りと孤独もあり、情緒不安定なところもあった私に、「少しずつ返してくれていいから、毎月返すお金があるから頑張ろう、と思って支えにして欲しい」と言ってくれました。
ちなみに先輩に相談する前、どうしようもなく沈んだ気持ちで親に電話したところ、「オレオレ詐欺か(笑)まぁなんとかなるわよ」と笑い飛ばされた、という苦い思い出は今でも忘れません。お金の使い方がなっていなかった私が一番悪いですが、世の中なんとかならないこともあるので、もしお子さんや親しい人からそのような電話があった際はまずは本人確認の上、詳しい事情を聞いて差し上げてください。BLOCK LAMPのあたたかな光とは裏腹に、飛んで火に入る夏の虫のような、私の苦々しいエピソードでした。
オーナー
金田悠/YU KANETA
本サイトの管理人。北海道旭川市出身、横浜在住。多様性のあるやさしい社会を目指して、フリーランスの広報PR・ライターとして活動中。マイブームはメダカの観察。
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